うつわ

📒やきものの個性と自然な表情

やきものの面白さは、「どれも少しずつ違う」ところにあり、同じ形でも、焼きあがった色や質感は微妙に変わります。それは欠点ではなく、自然由来の素材を扱う上で起こる“うつわの個性”です。ここでは、やきものが持つ独特の表情と、毎日の食卓で気持ちよく使うためのちょっとした知識をまとめました。

色の差・色ムラについて

やきものは、土や釉薬の性質、焼き上げる際の温度や窯の中の置き場所によって、色の出方が少しずつ異なります。 釉薬が厚く重なった部分は色が深く、薄い部分は明るく仕上がるほか、火の当たり方や酸素の量によっても色のトーンが変化します。 特にブルーやグリーンなどの発色が強い釉薬は、こうした個体差が強く表れるのが特徴です。
これら一枚ごとに異なる表情は、やきものならではの「焼きの味」。 ひとつとして同じものがない、手仕事による豊かな風合いとしてお楽しみください。

貫入(かんにゅう)について

釉薬と素地(土)の収縮率の違いにより、表面に細かなヒビ模様があらわれる現象を「貫入」といいます。ヒビといっても破損ではなく、陶器ならではの趣として古くから親しまれてきた表情の一つです。
商品によっては、お届けした時点ですでに貫入が入っているものもあれば、お使いいただくうちに少しずつ広がったり、お料理の色が染み込んでいったりすることもあります。こうした経年変化もまた、陶器を育てる「味わい」としてお楽しみください。
使い始めの綺麗な状態を長く保ちたい場合は、事前に「目止め」をしておくことで、汚れの染み込みを和らげることができます。

ピンホールについて

焼成の際、土に含まれる空気や有機物がガスとなって抜けることで、釉薬の表面に小さな針で突いたような穴が現れることがあります。これを「ピンホール」と呼びます。
見た目は小さな点やくぼみですが、破損ではなく使用上の問題もありません。土の気泡などが原因で起こる、やきもの特有の現象です。自然素材を用いた器ならではの、素朴な味わいとしてお楽しみください。

鉄粉(てっぷん)について

土に含まれる鉄分が焼成時に酸化し、器の表面に黒や茶色の小さな点として現れることがあります。これが「鉄粉」です。
特に赤土や黒土を用いた器に多く見られる特徴で、見た目は小さな黒い点ですが汚れではなく、土が本来持っている成分による自然な風合いです。

化粧(けしょう)について

「化粧」とは、素地(土)の上に化粧土を重ね、その上から釉薬をかけて仕上げる技法のこと。土の色をやわらかく包み込み、独特の穏やかで温もりのある雰囲気を生み出します。
この化粧土は素地よりも繊細な性質を持っているため、ごく稀に釉薬とともに剥がれることがあったり、化粧土と釉薬の隙間に水や汚れが入り、斑点のように見えることがあります。また、水に濡れた際にシミが浮き出ることもありますが、これらは乾けば消える「化粧」ならではの特徴です。
少しだけやさしく扱うことが、長く愛用いただくためのコツ。使い終わったらよく洗い、しっかりと乾燥させてから収納してください。

うつわの個性を楽しむために

焼きムラ、ピンホール、鉄粉、貫入、色のばらつき。同じシリーズでも、色のトーンや風合いに小さな違いが生まれます。
けれど、それこそがやきものの魅力。個体差を理解しながら、自分らしい一枚を選ぶ楽しみも、器と付き合う醍醐味のひとつです。

KOYO SOKO スタッフ -うつわ-

KOYO SOKO スタッフが
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